賃貸でもリフォーム【Vol.057】
築43年の家を大リフォームする
築43年の家を大リフォームする
5月のゴールデンウイークも過ぎて、街にはもう前の静けさが戻ってきました。今年は6日までがお休みで7日(水)から平日の普通日ですが、去年の7日は月曜日だったことを思い出しました。そこで今回は昨年の5月7日(月)に電話のあったTさんのことをお話したいと思います。
Tさんは青葉区のみやけ台に住んでいて7年前に大リフォームをした方です。だんな様と当時小学4年生の男の子と3才の女の子との4人暮らし。この4月に泉区緑園に転勤になりました。Tさんは学校の教師をしています。みやけ台から緑園まで通勤していたのですが、往復の通勤時間がとてもかかるため家に帰るとへとへとになり、「これでは体が壊れてしまう・・・」ということで仕事先の近くに家を借りてこの5月3日に引越ししたばかりだとのことです。
しかし引越しをしたその日のうちに、「この家のキッチンでは駄目だ」と、ゴールデンウイークが明けるのを待って電話をくれたのです。あまりにも切羽詰ったTさんの声に「ともかくすぐ行くから」と普通の日に休みを取れないTさんのために次の休みの取れる5月13日(日)に駆けつけたのです。子供たちはあの頃から6年を経て、高校1年生と小学3年生になっていて食べ盛りになっていました。リフォーム前
キッチンを見る
キッチンのワークトップカウンターの高さを見ただけで「これでは疲れる・・・」とすぐ思いました。目測で80cmと分かったのです。そして同じカウンターの上にあるコンロのなべを乗せる五徳が5p分飛び出ています。身長160pのTさんにとって、ここのシンクは低すぎ、コンロは高すぎるのです。青葉区に住んでいた時のワークトップの高さは85p、コンロは75cmで段差キッチンに作ったのはTさんの身長に合わせてのことだったので、借家のキッチンが使いにくかったのです。
洗面脱衣所を見る
洗面室に入ろうとしてドアを開けたら半分しか開かない。そろそろと入ってみると、洗濯機がドアにぶつかってドアが全部開けられないのでした。壁の奥行を測ると54cm、それに対して手持ちの東芝ドラム洗濯機は奥行64cmあるのです。「乾太くんはどうしました?」乾太くんというのは東京ガスのガス乾燥機のことです。電気式乾燥機では雨の日には衣類が乾くのに長時間かかることから短時間ですむ「乾太くん」は働く主婦の間に人気があります。ところが「乾太くん」は庭にビニールシートをかぶせたまま置いてありました。青葉区に住んでいた時は洗濯機上に「乾太くん」置台を設置して使用していました。
「洗濯機も大変なことになっているのね。」
「借りている家をあれこれいじったなら、元通りにまた直して返さなければならないの」とTさんは契約書を持ってきました。
リフォームにお金をかけ、元に戻すのにまたお金がかかるとなるとそう簡単にいきません。二重に費用が発生してしまうのです。ということでまずはキッチンと洗面脱衣室を使いやすくするリフォームがどのくらいかかるのかを試算することをから始めました。
改善案
1.キッチン
・ワークトップカウンターを青葉区の時と同じ85cmにし、コンロも75cmと段差キッチンにする。
・青葉区の時使っていた食洗器は巾45cmのエレクトロラックス社。そのまま使うこともできたのだが使用頻度が多いのでその上のクラスの巾60cmのものに取替え、お箸・スプーン・ナイフなどのカラトリー専用カゴ付のミーレ社のものにする。そうすれば食器も鍋も全部一緒に洗えて乾燥もできる。
・Tさんは泉区に来てから飲水をペットボトルで購入しておりその置き場に困っていた。そこで青葉区の時に使っていた浄水器(シーガルフォー)を移設。
・カウンタートップは人工大理石のコーリアン。コンロはタイマーセンサー付きのオリジナルキッチンに。
2.洗面脱衣室
・手持ちの洗濯機は洗濯機置場に入らないので洗面化粧台を小さくし、隣に洗濯機を並べて設置。「乾太くん」の排気ダクトは外に直接つけないといけないので、洗濯機の上に置台を載せる。
・洗面化粧台はTOTOの巾75cmのもので三面鏡付きにし、歯ブラシやドライヤーも収納できるものを選択。
見積りが出た
こうして改善策に沿ってプランを打ち合わせたり、ミーレやTOTOのショールームに行ったりと毎週日曜ごとに行いました。そして見積もりが出たのが6月24日。キッチン・洗面脱衣室のリフォーム代金175万円。
ただここでやはりあの問題が・・・【賃貸の契約は出るときに元に戻すこと】
最低4年以上ここに住むので175万円ならすぐにでもリフォームしたい。しかし、元に戻す工事費がまたかかります。それよりも、元に戻すまで今あるキッチンと洗面台はどこに置けばよいのでしょうか?
不動産会社に相談する
そこで私とTさんは家を仲介してくれた不動産会社に相談することにしました。キッチンと洗面脱衣室をリフォームしたい、しかしこの家を出る時はリフォーム後の状態のまま出て行きたいので大家さんに相談してくれるように頼みました。不動産会社の笹森さんはとても親切な人で、「それならば覚書を書いてください。大家さんと交渉してみますよ」と返事してくれました。そこで私は覚書を作り笹森さんにFaxしました。笹森さんは私の覚書を元に立派な文章に書き改めてくれました。
こうして発注へ
戻ってきた笹森さんの文章を見て、私とTさんは手を取り合って喜びました。笹森さんは大家さんに私たちの気持ちをも伝えてくれたのです。
こうして7月2日、工事は発注されました。オリジナルキッチンの制作は、青葉区の時のキッチンをつくってくれた洗島工房に依頼。Tさんの気心は分かってくれています。普通は一ヶ月以上かかるところを、3週間で仕上げてくれました。その後設置工事開始。工事にかかった日数は6日。7月24日〜29日。
賃貸の家でもリフォームすることができたのです。大家さんも自分の持ち家が住みやすくなるようなリフォームであれば元に戻せとは言わない筈です。
Tさんと175万÷48を計算してみました。この48は4年間借りた場合の1ヶ月分の費用です。36,500円。1ヶ月分の家賃が今より3万6500円だけ高いところを借りたと思えばよいのです。「5年住んだらもっと安くなるわ」とTさん。
リフォーム完成日笹森さんが訪ねてきて、
「ずいぶん前と変わりましたね、同じ場所とは思えません。でもこれなら大家さんも喜んでくれるでしょう」と言っていただけました。
こうして新しいお家で生活をスタートさせることが出来たTさん。今回は多くの人の協力があってスムーズに話を進めることができました。
今後はキッチンの使いづらさという点で悩まれることはなくて済みそうですね。
リフォーム後




