正月飾りは自分流で飾ってみよう【Vol.052】
身近にあるものをさがす
今年の干支は子
「臼田律子人形教室展」が国立の「ギャラリーアルケミスト」で開催されるとのお知らせをもらったので、行ってきました。臼田律子さんは「ホリヒロシ」さんに師事して、人形づくりをしている人で、人形展には20年ほど前からちょくちょく伺っています。銀座のお香の専門店「香十」の店頭ショーケースのお香を聞いている人形が展示されていますが、その人形作者としても知られていますので、ご存知の方も多いと思います。 ギャラリーには、律子先生の人形も何点か展示されています。生徒さん方の人形を見て思わず「なるほど」と頷いてしまいました。十二の干支の動物達の人形もありましたが、やはり今年は子(ね)の年、ねずみの人形が多かったです。
そこで私はハッと気づきました。同じ先生から教わっているのに、生徒によって顔の眉、目、口が少しずつ違うのです。それぞれの個性が違うのだから同じになるはずがありません。なら正月飾りも伝統的な言い伝えを基本に身近にあるもので楽しんでもいいのではないのでしょうか。生徒さん達に触発されて、正月飾りをつくってみようと思い立ちました。
1.門松
門松はお正月に祖先を迎え入れる入り口です。でも門松は高そうだし、第一、私の家には門がありません。しめ縄は暮近くにならないとお店に並びません。クリスマスの時に、玄関ドアにリースを飾りました。正月は正月用のリースを飾るのもいいけれど、他にも何かないのかとデパートをくまなく探しました。でも、よくよく考えると何も正月用品にこだわらなくてもいいのではないでしょうか。ならばと思い見つけたのは伊東屋のポストカード売り場。


獅子舞と羽子板と凧と花と扇が千代紙細工でつくってあり、水引でくるりとなっています。これを玄関ドアに貼り付けましょう。 次に向かったのは鳩居堂。ここのポストカードにもたくさんのネズミがいました。羽子板のポストカードもみつけました。これらをうまく飾ってみました。
- リビングのサイドボードの上に、写真立てを利用して羽子板模様のポストカード
- 階段の壁にシルクスクリーンのねずみ3枚
- コンロの脇に打出の小槌に集ったねずみと小判
- 神楽鈴のねずみはしゃんしゃんと陽気にトイレのドアに臼田律子の押絵のねずみは食卓脇の壁に、夫婦ねずみの晴着姿は正月の口上を述べているようなので玄関壁に人を迎えるように。


2.鏡餅
鏡餅はお正月のお供えの餅です。人の鏡となるようにとの願いを込めて、丸いかたちになったそうです。鏡餅は玄関の上がり框に置きましょう。三方に奉書を敷いてその上に載せます。三方は神様に奉る白木でできたものです。板と板が直接触れるのを神様は嫌うそうですので、フローリング床の私の家は、打敷として、木綿のスカーフを敷いて、その上に三方を載せましょう。
3.盛物
盛物は、一富士二鷹三茄子。初夢で、縁起のよいものの順ですね。富士山は言わずとしれた日本一高い山。そして、独立した美しい山です。鷹は勇敢に茄子の花は咲いた花すべてに実を結ぶことから、千のひとつも無駄がない意味です。



身近にあるものを使って、自分流に楽しくお正月飾りをつくってみてはいかがでしょうか。