ドイツの子供部屋は0歳から ワールドハウジング Vol.3

ドイツでは引っ越しの際に、アパートの簡単な修理や、壁の塗り替えは義務となっている場合が多い。一年以上住んだなら壁を、三年以上なら天井や窓枠を塗り替えるなど、契約によって差はあるものの、こうして自分で修理すれば、家主に預けている保証金もほとんど戻ってくるシステムになっています。また、手入れされていないアパートに入居すると、修理を自分でする代わりに、一月の家賃をタダにしてもらうこともできます。
リフォームは日常生活の一部
こうした習慣があるせいか、ドイツの家庭に欠かせないのが、工具セットや電気ドリル。ドイツでは日曜大工やリフォームはまさに日常で、リフォームセンターに足を踏み入れたことがないドイツ人を見つけるほうが難しいほど。
女性だって大きな電気ドリルで壁に綺麗に穴をあけたり、水管を取り付けたりするのは朝飯前と、なかなか頼もしいです。
愛情一杯の子供部屋作り・コール夫妻の場合

そんなドイツ人がまさに実力を発揮するのが、子供部屋のリフォーム。妊婦が安定期に入ると、未来のお父さんとお母さんは、力を合わせて壁を塗り替え、子供の揺りかごやおもちゃ、洋服ダンスなどを買い足しては、子供部屋に揃えていきます。生まれてすぐの赤ん坊が一人部屋をもらうことは一般的で、日本のように幼稚園に行っても両親と川の字になって眠ることはまずありません。
リフォームと一口に言っても、子供部屋には色々注意が必要。壁に塗る塗料の安全性は大事なポイントで、乾く時間はかかるものの、エコペンキを好んで使う人が増えています。
今回お邪魔したコールさん夫妻は、ご懐妊と同時に大きなアパートにお引っ越し。子供部屋は特に気を使って手を入れました。
まずは子供が汚しても大丈夫なように、もとあった絨毯をはがして、下にあった木の床を研ぐ機械を借り、凸凹をなくし、綺麗にニスを塗って素敵なフローリングにしました。

建築家である妻のガブリエラさんは、子供の情緒に一番いいようにと、カラーリストからソフトな色を選んで、何度も設計図を書き直しては、飾る絵の位置まで決めたという力の入れよう。

ライトはドイツでよくある黄色い間接照明にし、夜になると子供が自然とリラックスできるように工夫を凝らしています。あまり暗くしすぎて、子供が恐怖心を持ってもいけないので、可愛い人形を電灯に吊り下げたり、クマの形をした小さなライトも準備したりと、細かな点まで配慮をしています。
建物自体は100年前のものなので、天井も高く、20平方という贅沢な間取りがさらに大きく見えます。大きな窓につられたカーテンも奥様の手作り。可愛らしい明るい色使いの布を選びました。揺りかごも、それに付けるレース付のカバーも、すべて彼らが一緒に力を合わせて作った芸術品。壁にかけている動物をモチーフとした絵の額も、色を自分たちで選んで塗って、愛情一杯の部屋のでき上がり。


三つ子の魂なんとやら・教育方針と子供部屋

両親の教育方針は、子供部屋作りにも大きく影響します。ドイツでは、赤ん坊は子供部屋で寝るので、ベイビーフォンとよばれる、一方通行のトランシーバーのような器具がよく使われています。
遠く離れていても子供の声が聞こえるようにとの考えから、使う人も多い器具ですが、あくまでも健康を重視するコール夫妻は、電波が身体に悪影響を与えてはいけないからと、1歳過ぎるまではベッドを二人の寝室に移動させ、同じ部屋で寝かせているのだとか。
赤ん坊の発達を遊びながら促進するといわれている、プラハ親子プログラム(PEKiP)の熱心な生徒さんでもあるコール夫婦は、子供が跳ねたり、ハイハイをしたりする訓練ができるようにと、部屋の隅にマットレスを敷き、大きなバランスボールも子供部屋に設置しています。
コンセプトがハッキリした素敵な子供部屋作りの秘訣はまさに、夫婦間の理解の深さに隠されているようでした。









