"香り"は、お部屋のインテリア〜香りのコーディネートで暮らしが変わる〜

“五感を刺激する空間づくり”をモットーに、住居やオフィス空間のコーディネートを手がけている菊地真紀子さん。 菊地さんがコーディネートする住宅の特徴は、配置するインテリアはもちろんのこと、その空間に流れる“空気=香り”をトータルに考え、住む人や訪れる人にリフレッシュ&リラックスできる空間を提供してくれる点にあります。 今回はそんな菊地さんに、住まいの中に“香り”を上手に取り入れることで、ワンランク上の暮らしを手に入れるポイントをご紹介いただきました。
住む人の心を変える“香り”のパワーる

菊地さんがインテリアに“香り”を取り入れ始めたのは、住宅展示場のコーディネートを手がけ始めた1980年代のこと。ある日、ご自身がコーディネートした展示場を訪れたところ、リビングに置かれていた果物が傷んで悪臭を放ち、とても不快な気分になったのがきっかけだったのだそうです。
『あのときは“香り”の大切さを痛感しました。心地良い家にするためには、目に見えるインテリアだけでなく、目に見えない“空気=香り”に意識を向けることが大切なんだなって。』
それから菊地さんは、香りについて研究を重ね、そこに住む人や訪れる人のことを考えてインテリアの一部として“香り”をトータルにコーディネートするようになりました。
『“香り”には人の心を元気にしたり、イライラした気持ちを落ち着かせてくれたり、また疲れた体をリフレッシュさせてくれる効果があるんですよ。実際に私がコーディネートをしたお客様の中でも、“香り”を生活に取り入れてから夫婦仲が良くなったご家庭や、家族団らんが戻ったご家庭などもあるんですよ。』
では、どんな点に気をつけて住空間に“香り”を取り入れれば良いのでしょうか。実際に菊地さんがコーディネートされた住宅展示場を拝見しながら、そのポイントを見ていきましょう。
“香り”選びは、部屋の用途と使う人の個性を考慮する
玄関

昨今のペットブームの影響で、ペットと快適に暮らすための工夫を盛り込んだ住宅が、数多く見受けられるようになりました。
今回、菊地さんが手がけられたモデルハウスもそのひとつ。エントランスには大型犬用のドッグハウスが設置できる広々としたスペースが設けられ、「ペットとの快適な住まい」を提案しています。
『人間にとって“香り”は癒しになりますが、動物にはかえってストレスになることがあります。ですから、ドッグハウスを設置する玄関には、あえて“香り”は取り入れず“消臭”にポイントを置いています。臭いがある場所にいくら“香り”を演出しても、逆効果です。まずはキチンと“消臭”対策を施すことが大切ですね。』
こちらのエントランスにも、消臭・通気性に優れた珪藻土(けいそうど)のクロスが使用されており、気になるペットの臭いをカットする効果があるそうです。
消臭効果のある建材は現在豊富に出回っているので、そうしたものを上手く取り入れると良いでしょう。
キッチン

臭いが気になる場所と言えば、キッチンもそのひとつ。水廻りをこまめに掃除することが、悪臭を抑える基本となります。そこでオススメなのが、お手製フレグランススプレーを利用した、“菊地さん流キッチンお掃除法”。
薬局で市販されているエチルアルコール(約150ml)に、市販の精油を3〜4適混ぜて霧吹きに入れます。それを、シンクや排水溝、冷蔵庫の中などを掃除するときに吹きかけると、消臭・除菌効果があるのだそうです。
特にオススメは、消臭効果が強く、油分を分解する働きのある柑橘系(レモン・ライム・オレンジ)の精油を配合したフレグランススプレー。その他、ゴキブリが嫌うラベンダーのフレグランススプレーを利用すると、ゴキブリの発生も食い止められるのだとか。
用途に合わせて、お掃除にも賢く“香り”を取り入れたいものですね。
寝室
お休み前のひとときを豊かに演出してくれるのが、寝室を包み込む“香り”。
『あまり会話のなかったご夫婦が、寝室に“香り”を取り入れてから、夫婦仲が良くなったらしいんですよ』と菊地さんがおっしゃるほど、眠る前の“香り”は、人の心を左右するそうです。
寝室の“香り”選びのポイントは、基本的にはご自分の好きな“香り”で結構です。傾向として、年配のご夫婦ならローズやラベンダーなどのナチュラルな“香り”。若いご夫婦であればブレンドされたスタイリッシュな“香り”を好まれることが多いのだとか。


こちらの展示場は二世帯住宅になっているので、年配のご夫婦の寝室には、優しく香るバスオイル(ローズ)をポプリに浸み込ませて使用。また若いご夫婦の寝室には、人気の高いフランス製の“ランプベルジェ”というアロマランプを使用、洗練された華やかな“香り”を演出しています。この“ランプベルジェ”は通常のアロマランプと違い、最初の2〜3分燃焼させた後に火を消し、余熱で芳香させるので高いアロマ効果だけでなく、マイナスイオンも発生するとあって、人気が出ているのだそうです。


寝室


寝室のようなプライベート空間と違い、家族やお客さまが集うリビングはパブリックなスペース。そのため、個性的な“香り”よりも、好き嫌いが少なく万人向けのナチュラルな“香り”を選ぶのが良いと菊地さんは言います。
『リビングに取り入れる“香り”は、季節によってチョイスしましょう。例えば、夏なら暑さで疲れた体を元気づけてくれる、オレンジやグレープフルーツなどの柑橘系の香り、体感温度を下げてくれるミントの“香り”をおすすめします。冬は空気が乾燥するので、しっとりと落ち着いたウッディ系の“香り”が良いですね。』
これらの“香り”を、リビングにまんべんなく行き渡らせるためには、スチーム型アロマポットを利用すると良いそうです。また、キッチンと一体型のリビングの場合、室内に食べ物の臭いが充満しやすいため、できれば設計の段階で、室内の上部に窓を設置しておくと、空気の循環がスムーズとなります。
生活に“香り”取り入れることで、家庭円満を目指したいものですね。
※撮影協力:ミサワホーム 東京 馬込ハウジングギャラリー
プロフィール:菊地 真紀子/株式会社アロマインデリア代表取締役

空間コーディネーター、インテリアプロデューサー、フレグランスデザイナー、アロマコーディネーター、香水コーディネーターなどの資格を持つ。インテリアと香りに関する幅広い知識を活用し、数々の住居やオフィスのコーディネートを手がけている。
まだ日本ではあまり馴染みのない「インテリアフレグランス」「オリジナルフレグランス」を広めることを使命として、メディア等でも幅広く活躍中。








