料理人が伝授する「本当に快適なキッチン」のポイントとは?

人呼んで"歌う料理人"の森野熊八さん。お料理の作り方を歌詞にして、歌いながら調理する「クッキングショー」が話題となり、今やメディアでも大活躍中。「小さい頃は歌手を目指していたんです」とおっしゃるだけあって、その歌声も素晴らしいものです。今回は、そんな熊八さんに、芸人さん顔負けのユーモアたっぷりな語り口で"調理しやすいキッチン"のポイントを教えていただきました!
キッチンのリフォーム、"これだけは気を付けて!"という点は?
「僕がキッチンをリフォームするなら、やっぱり"熱源の位置"が一番気になりますね。僕は右利きだから、熱源は必ず作業台の左側に設置したいんですよ。右利きの人なら、フライパンを左手に持って、右手でかき混ぜるのが普通でしょ。これがもし、熱源が右側に設置されていたら、わざわざ体をひねらないとフライパンをつかめない。さらに右側が壁になっていると、右手が壁にぶつかって自由に手が動かせなくなる。
これが一番厄介ですよね。ほんの一歩か二歩のことなんですけど、キッチンの動線はとても大切。調理しやすいキッチンにするためには、"熱源は利き手と反対側に"というのがポイントですね」
飲食店の調理場では、左側に熱源があるのが鉄則なのだそう。でも熊八さんいわく「家のキッチンだと意外と右側に熱源を設置していることが多いんですよ」とのこと。
今後、住宅を購入する、あるいはキッチンをリフォームする、という方は、この熱源の位置に注意して選ぶのがポイントのようです。
いっぱいある調味料や鍋を、使いやすく整理するポイントは?

お料理好きな方ほど、キッチンの周りにズラリと自慢の調味料や鍋を並べたいもの。しかし熊八さんは、「これがキッチンを使いにくくする原因!」とおっしゃいます。
「本当は、キッチンの上に何も物が置かれていないのが理想的なんです。だってそれだけ、調理するスペースが広がるでしょう。だから僕は、週に1回程度しか使わない物は、吊り棚やキッチンに備え付けの引き出しスペースに、しまっておくべきだと思います。あっ、もちろんキッチンが100畳もあるような豪邸なら、ズラリと並べたって構いませんよ(笑)。
でも、そんなお宅はなかなかない。それに、いくら毎日ご馳走を作っているお宅でも、使っている調味料や鍋は案外決まっているものです。調味料なら、せいぜい塩コショウとサラダ油、鍋なら、中華鍋と手鍋、フライパンくらい。だから、出しておくのは、せいぜいその3つにしてくださいね!」
"使いたい時にすぐに取り出せるように"と工夫をすることも大切ですが、限られたキッチンスペースを有効に活用するには、"使わない物はしまう"という心がけも必要なようです。
シンクを選ぶ時のポイントは?
シンクは、まさにキッチンの要。高い買い物だけに後悔のないように選びたい、と熊八さん。「シンクを選ぶ時は、まず、高さが自分の身長に合っているかが一番大事。高さが、自分の腰骨くらいにくるのが理想なんです。これ以上でも以下でも、姿勢に無理が生じて疲れてしまいますよ」
調理をしている時、腰が痛くなったり疲れたり…という方は、シンクの高さが合っていないのかもしれません。
そしてもうひとつ大切なのが、シンクの深さ。
「深さは最低20センチから25センチは欲しいですね。シンクが浅いと、水がはねやすいし、深いお鍋に水を入れる時に、蛇口につっかえてしまいます。キッチンを選ぶ際は、実物の前に立ってみて、いろんな作業を想定しながら確かめてみた方がいいですね」
熊八さんオススメなのが、シャンプードレッサーに使われているような、シャワー式で取り外し式になっている蛇口なのだそう。
「葉物野菜って、根っこの部分に泥が溜まっているんですよ。シャワー状の蛇口で取り外しできるものだと、根っこまできれいに洗えますね」
キッチン内の熱のこもりや、油汚れを防ぐ方法は?
キッチンで煮物や揚げ物をしていると、どうしてもキッチンに熱がこもってしまい高温になってしまいます。また、換気扇や壁に飛び散る油汚れも厄介ですよね。
「クッキングヒーターは使いやすいですよ。これは、周囲に余分な熱が逃げないから、キッチンがあまり暑くならないんです。
もちろん、加熱部分は高温になるので、どんな料理でも問題ナシ。熱が逃げないため、空気の滞留も起きにくく、油が周りに飛散しにくいという特徴もあります。それに、表面がフラットなので、調理台としても使えますから便利ですよ。これからは、クッキングヒーターも選択肢の一つですね」
クッキングヒーターは、鍋底をプレートから離すと加熱されなくなるため、"中華鍋などを豪快に振ることができない"という点はあるものの、どんどん普及が進んでいるのだとか。やけどの心配も少ないので、小さなお子様がいるご家庭にも人気があるようです。
熊八さんが選ぶのは、開放感あふれるオープンキッチン
実は熊八さんご自身も、現在お引っ越しを検討中なのだそう。熊八さんは、どんなキッチンのある家をお探しなのでしょうか?
「僕は仕事柄、自宅で撮影することも多いので、開放感があって食卓を見わたせるオープンキッチンがいいんですよ。だからキッチンの上に棚は作りたくない。あの棚って、意外と使い勝手が悪いでしょ。一番上の物を取り出す時なんか、わざわざ台を持ってこなきゃ取れないし、たまに扉で頭をゴンっとぶつけちゃうこともある(笑)。
だから、僕はキッチンの反対側に収納を付けるといいと思いますね。そこに、普段あまり使わない食器などを収納しておけるでしょ」
確かに、開放感あふれるオープンキッチンで、家族の顔を見ながら調理するのは楽しそうですね。待っている方も「あっ、魚が焼けたからもうすぐだ!」なんて食器を並べて用意できそうです。棚を設置する位置も、高いより低い所に作る方が使い勝手がよいもの。リフォームする際には工夫が必要ですね。

熊八さんからのお願い「水切りバットは使わないで!」

取材中、熊八さんが声を大にしておっしゃっていたのが、「水切りバットは使わないで!」ということでした。きっと、水切りバットを使用しているお宅は多いはずですよね?熊八さんが、こうおっしゃる理由は何なのでしょう。
「洗った食器を水切りバットで乾燥させるお宅って結構多いんですが、あれは不衛生ですし、何よりも場所を取るんですよ。水切りバットがなければ、ずいぶんキッチンを有効に使うことができます。まぁ、絶対に使うな、とは言いませんが、今後リフォームをするなら、ビルトイン食器乾燥機を設置するなどして、スペースを有効活用してほしいですね」
熊八さんの場合は乾いたタオルを広げ、その上に洗った食器を置いていくのだそう。確かに、タオルなら水気も吸ってくれるし、食器を片付けた後は取り除くだけなので、スペースを有効に使えますね。熊八さんいわく、洗った食器は水気を切って拭き、すぐに棚にしまうのが理想的なのだそう。ちなみに、フライパンや鍋も、さっと熱であたためた後に、乾いたタオルでから拭きすると長持ちするそうですよ。
みなさん、お料理しやすいキッチンのコツ、お分かりいただけたでしょうか。料理人の熊八さんならではのアイディアが、たくさん登場しましたね。快適なキッチンを実現して、おいしいお料理を作りましょう!
快適なキッチンにするためのポイント
- キッチンは動線が命!熱源は、できるだけ利き手と反対側に設置しよう
- キッチンには、できるだけ物を置かない!使わない調味料はしまおう
- シンクは自分の背丈に合ったものを選ぼう!深さのあるものがベスト
- クッキングヒーターなら、熱もこもらず汚れにくい
- ダイニングを見わたせるオープンキッチンで開放感を出そう
- 洗った食器は拭いてしまう!水切りバットに放置しておかない
プロフィール:森野熊八 料理人/タレント

明るく楽しい語り口で独自の料理世界を展開し、テレビ、ラジオ、雑誌で活躍中。また、料理をより身近なものにというポリシーのもと、各種のイベントでも楽しくておいしい「クッキングショー」を展開している。
森野熊八 H.P.
■http://www.j-two.co.jp/kuma/








